学術シンポジウム

第35年会では、以下5件の「学術シンポジウム」を予定しております。

学術シンポジウム1Symposium 1

先制医療に貢献するセンシング技術

オーガナイザー
柳井 薫雄 (武田薬品工業(株))
堀内 保秀 (東レ(株))

今後迎える未経験の高齢化社会の進展という大きな課題を抱える中、他の産業も含めたデジタルトランスフォーメーション・AIの進化は、医療・ヘルスケア分野へも、新しいニーズ・価値の創出、予防・治療の効率化が期待されている。 これらの課題解決のためのキーテクノロジーの一つである、センシング技術とそのデバイス開発は、健康者から患者様の生体信号のリアルタイムモニターリングを可能とし、予防医療、未病・疾患の早期発見・治療など、先制医療(予防、診断、治療効率化)に大きく貢献でき、医療薬剤学分野とのシナジー効果も期待される分野である。 今回は、「先制医療に貢献するセンシング技術」をテーマに、本分野で最先端研究・開発に取組んでおられる先生方を、産学官からお招きし、研究・開発事例と今後の展開、並びに行政サイドから本医療機器デバイス領域での製品・開発の管理・規制面での、課題と今後の展望についてご講演頂く。本シンポジウムを通して、センシング・デバイス技術分野と医療薬剤学分野との、今後のシナジー効果、新しい価値の創出について、考える機会としたい。

ウェアラブル機器と機械学習技術によるてんかん発作の予知
山川 俊貴  (熊本大学大学院先端科学研究部)
着衣型ウェアラブルデバイス “hitoeⓇ”
杉原 宏和  (東レ(株))
生体センシング技術とITで広がる先制医療の可能性
荻野  淳  (アステラス製薬(株))
センシング技術とITを用いた医療機器の審査は何が特殊か?
加藤 健太郎 ( (独)医薬品医療機器総合機構)

学術シンポジウム2Symposium 2

日本発DDS製剤維新

オーガナイザー
石田 竜弘 (徳島大学大学院医歯薬学研究部)
菊池  寛 ((株)LTTバイオファーマ)

アカデミアが生み出すシーズと医薬・医療技術の実用化の間には大きなギャップ 「死の谷」が未だ存在している。 この理由として、橋渡し人材の不足、製剤化やスケールアップ技術の欠如、開発資金の枯渇などが挙げられている。しかし、本当にそうであろうか?アカデミアが開発した技術やシーズを一方的に企業に紹介するだけの、アカデミアによる産学連携の仕組みにも問題があるように思われる。本シンポジウムでは、製薬企業が実用化した、あるいは実用化に漕ぎ着けようとしているDDS製剤についてご紹介をいただき、「死の谷」を越えられない“アカデミア創薬”に何が足りないのかを考えてみたい。

富士フイルムのリポソーム製剤における臨床開発への取り組み
高田 清人 (富士フイルム(株))
エーザイにおけるリポソーム製剤とLNP製剤の開発
兵頭 健治 (エーザイ(株))
Trastuzumab deruxtecan (T-DXd; DS-8201) の非臨床薬物動態
矢部 義之 (第一三共(株))
アリピプラゾール持続性注射剤の製品化
松田 貴邦 (大塚製薬(株))

学術シンポジウム3Symposium 3

中分子・高分子医薬品創薬における「薬剤学」への期待

オーガナイザー
伊藤 慎悟 (熊本大学大学院生命科学研究部)
立川 正憲 (徳島大学大学院医歯薬学研究部)

中分子・高分子医薬品とはペプチドや抗体、核酸などの中分子・高分子医薬品は低分子化合物よりも分子標的能と治療効果が高いことから、現在の創薬や医療を変えてきている。しかし、中分子・高分子医薬品は体内動態や製剤化技術が低分子化合物とは異なるため、中分子・高分子医薬品に対する薬剤学の進歩・技術革新が必要である。そこで本シンポジウムは、アカデミアおよび製薬企業の立場から、ペプチド医薬・抗体医薬・核酸医薬に関する最新の知見と課題に関して講演いただき、分子標的能とともに薬剤学的に優れた中分子・高分子医薬品創薬を可能にするための情報共有の場を提供する。

IgG-Fc特異的親和性ペプチドを用いた抗体の部位特異的修飾法の開発と医薬品ならびに診断薬への応用
伊東 祐二 (鹿児島大学大学院理工学研究科)
原発性高カイロミクロン血症を対象とした、核酸医薬の開発
斯波 真理子 (国立循環器病研究センター研究所)
環状ペプチド創薬で直面する薬物トランスポーターの重要性
木戸 康人 (塩野義製薬(株))

学術シンポジウム4Symposium 4

点眼治療戦略

オーガナイザー
中田 雄一郎 (大阪大谷大学)
高島 由季  (東京薬科大学)

点眼剤は原則複数回使用する無菌製剤で使用性や差し心地が服薬コンプライアンスに直接影響するため、専業メーカーが強い領域です。そこで本シンポジウムでは「点眼治療戦略」と銘打ち、1)眼科に関する治療・薬剤開発の最近の動向、2)眼科製剤を考えるための薬物動態、3)眼科製剤、特に点眼剤の製剤開発と評価、4)医療現場における眼科製剤の課題に関して4人のエキスパートの先生方に点眼剤にまつわる課題や最新の話題を提供していただき、新たに眼科分野に活動の場を広げたいと考えている先生方に情報を発信できるシンポジウムになればと考えています。 

眼科に関する治療・薬剤開発の最近の動向
森島 健司 (参天製薬(株))
眼科製剤を考えるための薬物動態:眼内薬物動態に関わるトランスポーター
細谷 健一 (富山大学大学院医学薬学研究部)
点眼薬開発を支える基礎研究:安全性及び有用性の改善とその評価ツール
長井 紀章 (近畿大学薬学部)
医療現場における眼科製剤の課題
佐々木 均 (長崎大学病院薬剤部)

学術シンポジウム5Symposium 5

新技術による薬剤学維新2020

オーガナイザー
川上 茂 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
東 大志 (熊本大学大学院先導機構)

現在、医薬品は、低分子、タンパク質・抗体に続き、核酸、遺伝子、細胞へとその対象が広がっている。また近年、AIやIoT、薬物送達学、生体材料学が急速に発展してきている。このような時代において、薬の投与方法や投与形態を考究する学問領域である薬剤学が重要と なっている。そこで本シンポジウムでは、激変する未来の薬の開発と薬剤学の接点を探していくため、ボディオンチップ、プラスチック抗体、エクソソーム、ダイレクトリプログラミング、超分子薬学など、革新的な新技術を開発されている先生方にご講演頂き、未来の薬剤学を創造していきたい。

マイクロ・ナノ工学による生体システム再構築への挑戦
亀井 謙一郎(京都大学高等研究院 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS))
標的分子を吸着してその機能を中和する合成高分子ナノ粒子「プラスチック抗体」開発
小出 裕之 (静岡県立大学薬学部)
エクソソームをハイジャックする抗体結合型核酸医薬
山吉 麻子 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
ダイレクトリプログラミングによる機能性肝細胞の作出
鈴木 淳史 (九州大学生体防御医学研究所)
超分子の動的特性を活用した製剤素材の開発と製剤維新への挑戦
東  大志 (熊本大学 大学院先導機構)

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